Sardegna!

南イタリア、とひとくくりにされてはいるもののローマやナポリあるいはシチリアとはまるで異なる風土と文化を持つ異質な島サルデーニャ。従来建築や歴史的側面から紹介されることが多かったこの島を料理と工芸という視点から とらえたサルデーニャ紀行。毎年5月1日に州都カリアリで行なわれる島最大の祭り「聖エフィジオ祭」で目にし、耳にしたサルデーニャ文化を理解するのに欠かせない数々のキーワードを便りに、ローマ人でさえ手を出せなかった内陸のディープ・サルデーニャへの旅。山奥のアグリトゥリズモや小村に佇むトラットリアで出会ったパーネ・カラサウやプルチェッドゥ、マロレッドゥス、フィリンデウといった羊飼い、あるいは農民料理の数々。忘れ去られた美しく工芸品パーネ・リトゥアーレ、フィリグラーナ、チェスティーニ・サルディ、コルテッロ・サルドを作る職人たちとの対話。歴史の教科書には出てこない現代のサルデーニャに生きる人々の暮らしを追ったビジュアル・ノンフィクション。

目次
第一章
サント・エフィジオの聖なる行進
緊張した空気が張りつめる祭り前夜のカリアリ
灼熱の路上に繰り広げられる絢爛豪華な行進の始まり

第二章 サルデーニャの食と工芸を訪ねて/時の止まった町たち/秘境、バルバージアへ
ガヴォイ:リストランテ「サンタ・ルーガ」
オルゴーソロ:山賊とムラーレス
オリエーナ:リストランテ「チーカッパ」
ス・ゴロゴーネとオルトベーネ:湧水とレデントーレの山
ヌオロ:木工工房「アルテレーニョ」
ヌオロ郊外:アグロトゥリズモ「テストーネ」
カステルサルド:籠の博物館
イッティリ:アグリトゥリズモ:「ス・レクレウ」
サントゥ・ルッスルジウ:ナイフ工房「ヴィットリオ・ムーラ&フィッリ」
サン・ヴェーロ・ミリス:籠網「マリア・ライモンダ・ピンナ」
オリスターノ:アルボレア王国とサルティリア、トラットリア「ジーノ」
カブラス:カラスミとチルコロ「イル・マーレ・ディンヴェルノ」
アルブス:ナイフ工房「アルブレーザ」
サンタンティオコ島とサン・ピエトロ島:マグロとリストランテ「アル・トンノ・ディ・コルサ」
ノーラ:古代ローマの遺跡とリストランテ「ミラージュ」

第三章 始まりと終わりの都 再びカリアリへ
サン・ベネデット市場
工芸と食材「サポーリ・ディ・サルデーニャ」
金細工「オーロ・サルデーニャ」
レストラン「ス・クンビドゥ」「サ・ドム・サルダ」「ダ・バレーナ」
「ペコリーノ・サルド」「ズィア・ペッピーナ」
サルデーニャ歴史年表